油絵の制作時間
「どれくらいの時間がかかるんですか?」
よく聞かれるので、今日は制作時間についての絵画論。
私の場合、キャンパス購入後、バックの処理だけを全部する。
色んなサイズを数色のバージョンで縦横色々揃える。
これを描きたいとなったら、ストックしてあるキャンパスの中から、自分のイメージに合った色とサイズを選びます。
勢いを表現したくて一気に仕上げる作品は、途中で色を変えたいということ自体がめったにありません。
神経を集中し、テンションをあげれば10時間以内に仕上げます。
「明日にしよう~」ということが逆に出来なくなります。
生き生きした作品にしたい場合は、とろとろのろのろ描いていては、スピード感は筆に表れません。筆を走らせます。時間もかけません。
重厚な味わいある作品にしたい場合は、筆は絵の具を置くようにし、絵の具を何度も塗り重ね、下に塗った絵の具がじんわり滲み出る効果を狙います。
油絵の具は乾きにくいので、乾くまで1週間程待ちます。そのため、日数はかかります。
完成させたいタイプで時間と日数はだいぶ違ってきます。
どのタイプがどのくらいの時間かというのは、例え話をしましょう。
“鯛の生き作り”をつくるのに、3時間かけたら鮮度が落ちて美味しくありませんね。
“鯛の甘露煮”を作るのには、3時間以上かけないと味が染みていなくて美味しくありませんね。
それぞれにあった時間というものがあります。それと同じです。
美術館で絵を鑑賞するときに、
「ああっ!このスピード感のある作品は“鯛の生き作り”タイプ」
「おおっ!このしっとり重厚な作品は“鯛の甘露煮”タイプ」
と見ていただくと、分かりやすいと思います。
“鯛の生き作り”タイプ
“鯛の甘露煮”タイプ
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by legracieuxtemps
| 2006-06-18 00:29
| 絵画論
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