人気ブログランキング | 話題のタグを見る

油絵画家、永月水人のArt Life 

チャトラの爪とぎについて

チャトラは油絵用額を入れる箱で爪とぎをするのだが、私が怒らないのには理由がある。

彼はもともと人見知りはまったくしない、人懐っこい子猫だった。

チャトラの爪とぎについて_b0089338_23171114.jpg

チャトラがまだ子猫で、我が家の中で生活し始めて間もないある日、
網戸を自力で開けて脱走した。
猫は家と外の出入り自由が一般的な我が町。
暫くしたら帰ってくるだろうと思っていた。
3時間ぐらい経った頃、玄関前でかぼそく泣く声がした。

チャトラは4足血まみれで玄関を見つめて泣いていた。

洗ってみると、4足のすべての爪が根元から切られていた。
手の先を押しても爪が出てこない。爪が何もなかった。
あったはずの全部の爪。
鋭利な刃物での切り口から、血が流れ出ていた。

誰が何故?!私達家族は、騒然となった。


猫が嫌いな人もいる。庭に入られるのさえ嫌がるのも分かる。
猫を飼ったと町内では1日で知れ渡っている。首輪もついている。
何故飼い主に文句を言ってくれないのか?
何故何も言わない猫を傷つけるのか?


チャトラは爪を全部切られるのを黙って見ていたわけではあるまい。
出血は相当しているのだ。ひどく抵抗したはずだがその形跡も無い。
想像するに、爪1個目で気絶したのではないだろうか。


彼は地獄を乗り越えて、我が家に自力で帰ってきた。


私たちは、自分を傷つけた人間全部を嫌いにならないで
我が家を選んで帰ってきてくれたチャトラに謝り続け、お礼を言い続けた。
皆、涙が止まらなかった。


病院での手当てのかいもあって、運良く、切り口からばい菌などは入らず、
無事爪が復活した時は家族中で大喜びした。
最初の爪とぎのときは、「爪とぎできるようになったんだー」と喜んだ。

爪とぎできるということは、爪の付け根が無事な証拠なのである。



いくら高額な箱でもまた買えばいい。

チャトラの手の替えはこの世には無い。


今は、彼は爪切りを嫌がることもなく、毎週私がしている。
ライトを当てて、血管を十分確認している。
少しでも出血すれば、彼は思い出してしまうだろう。
それは絶対に避けなければならない。


今でも、爪とぎしている姿を見ると、心からほっとする。

チャトラの爪とぎについて_b0089338_23173135.jpg

※現在、開けられそうな窓にはつっかえ棒をし、お散歩にはリードと家族付きです。
今ではすっかり人見知り。固まっちゃいます。 あっ!女子高生だけは人見知りしません!!
な~ぜ~?

チャトラの爪とぎについて_b0089338_2318498.jpg

爪とぎの現場はこちら

更新の励みになります。ポッチリしてね。
人気blogランキングへ
by legracieuxtemps | 2006-06-21 23:41 | チャトラ | Comments(16)
Commented by 桜子 at 2006-06-22 06:44 x
こんにちは~。
先日はお越しいただきましてありがとうございました。
ひどいことをしますね~。私もショックです。同じ人間で、
そのようなことする人がいると思うだけで悲しい。
TVなどでもいろんなことされた動物いますね。嫌いでも、
して良いこと、悪いこと、、、あると思います。ましてや動物は
言葉しゃべれるわけじゃないのですから、、、。
Commented by sato@お世話係 at 2006-06-22 12:27 x
水人さんご無沙汰しててすみません^^;
チャトラくん、そんなひどい事をされた事があったんですか。。。
読んでいて、涙が出ました。
うちも昔一緒に暮らしていたキジトラの女の子を
お外に出していた時に虐待され、下半身付随にされた事があったので。。。
チャトラくんは本当にいい子。頑張ったんですね。
痛い手足でおうちに帰ってきたんですね。偉かったね。
爪が生えてきて本当によかった。
大事な家具等で爪とぎされても、嬉しくて温かく見守ってしまうという
水人さんの愛情溢れるお気持ちに、じーんときました。

Commented by ササ at 2006-06-22 16:49 x
水人さん、こんにちは。
記事を読んでいて・・・・涙が出そうになりました。。
痛いとも辛いとも言えない小さなネコに
そんなひどいことをする人間がいるなんて・・・。
同じ人間として、本当に本当にチャトラくんに謝りたい気持ちです。
人間だって、ほんの少し爪がはげそうになっただけでも痛いのに。

爪が生えてきて、元気に爪とぎできるようになって
本当によかったです!!!
チャトラくんのかわいい写真を見て、ほんとに涙が。。
(職場なのにーー)

そして我が家も網戸はつっかえ棒しといたほうがよさそうです。
今回水人さんから伺うまで、全然思いもしませんでした^^;
網戸は安全ではなかったのですね(涙

PS 先日はコメントの件、本当にごめんなさい!!
Commented by rico at 2006-06-22 20:24 x
こんにちは。こちらでははじめまして。私のところへのコメントありがとうございました。
チャトラくんの写真をはじめて見た時は、とっても可愛いお顔なので女の子かと思いました。ダンボールへのいたずらで怒られている顔も、とってもキュートですし。
身体が大きい分、きっと心が優しいのでしょうね。その優しさが表面にあらわれるから、どの写真を見ても、静かで穏やかな表情が印象的です。
私はチャトラくんみたいに足に靴下はいている猫が大好きなんです。チャトラくんの場合は、前足が足袋で後ろ足がソックスという感じですが。白い靴下をはいてトコトコ歩く姿を毎日側で見る事ができる水人さんが羨ましいです。
でも、その足の爪にそんな悲しい事実があったなんて。自分の爪でさえ深く切り過ぎたら、血が出なくてもズキズキするという経験は、たぶん誰でも身に覚えがあると思うのに。
辛くて悲しい出来事ですが、今はこうして元気なチャトラくんの日常が水人さんのブログで拝見出来て、とても嬉しいです。
Commented by sei at 2006-06-22 22:09 x
とても酷い話で涙が止まりません・・・
ウチのチョコ丸は今までこんな酷いことをされていませんが
もしされたらショックで外になんか絶対だせなくなるかも・・・
mitoさんとご家族の気持ちを考えると言葉もありません。
ウチも障子を張っても張ってもバリバリやられていますが、
爪を切ろうなんて思ったことないです・・・・
チャトラちゃんほんとうにかわいそう(-_-;)
でも今はmitoさんとご家族に守られ今は安心ですね!
Commented by 水人 at 2006-06-22 23:15 x
★桜子さま
TVでも動物の虐待などを見ると、涙ザーザーなんです。
鴨に矢が刺さったままだなんて、放った奴に刺さればいいと思います。
人間にはしゃべる口があるのだから、人間の私に文句を言ってほしかったと思っています。うちの家族は「関係ない」なんていう家族ではありません。ちゃんと謝る家族です。
Commented by 水人 at 2006-06-22 23:27 x
★sato@お世話係さま
実はこの記事を書くかどうかとても迷ったんです。
いつも「可愛い可愛いチャトラ~」だけでこのまま行こうか。
チャトラはいいこです。そうなる理由があっただろうと、考え、聞いてほしくなったんです。ただのヌクヌクじゃないってこと。
こんな悲しいことがあった上で、元気に生きているってことを、知ってほしかったんです。
記事は涙を流しながら書きました。思い出すだけで、涙が出るんです。
satoさまのお宅の女の子、うちより大変だったんですね。
可哀相に。彼女はさぞ怖かっただろうと思います。
その後はsatoさんのところで幸せに暮らしたことと思います。
この頃幼い子供の事件が頻発しています。
自分より弱い相手を傷つけるのは、許せないと強く思います。
Commented by 水人 at 2006-06-22 23:47 x
★ササさま
うちはまだ爪だけだったから、復活も早くて良かったです。
いまではこの大きさなので、鍵をかけていない2m大のサッシの窓も玄関も、軽々手で開けて脱走するので、色んなところにつっかえ棒があって、チョット恥ずかしい状態です~
脱走が分かるとすぐ「チャトラ~~」と大声で近所を探し回ります。
そう、予防のためです。
今度その人に捕まったら殺されちゃうかもと思うと、気が気じゃないんです。
ご近所さんで猫を出入り自由で飼っていらっしゃる奥様が
「すぐに帰ってくるのにどうして探すの?」と不思議そうに聞いてきたので
事情を説明したら、凄く驚いて今度から気をつけるとおっしゃっていました。
弱いものを傷つける人ばかりじゃないってことも十分わかっているけど、
チャトラの爪を切った人はまだご近所さんなので
ものすごーーく気をつけています。
Commented by 水人 at 2006-06-22 23:58 x
★ricoさま
ようこそおいでくださいました~嬉しいです。ありがとうございます・
今までの記事のチャトラも時間があるときに見てやってくださいまし。
今はヌクヌクと暮らしております~
そうなんです~白いお手手がチャームポイント!
他は柄がキジトラなので綺麗にそろっていて、なかなかなもんです~
(すっかり親バカ~~)
これからも宜しくお願い致します。
私も伺いますね。
Commented by 水人 at 2006-06-23 00:12 x
★seiさま
チャトラのために泣いてくださってありがとうございます。
この記事を書いていたとき、涙をぬぐわずにいたらチャトラが来て、頬の涙をなめてくれました。
分かるのかな~不思議な子です。

今はお散歩中は、リードをつけて、家族の誰かが必ずそばにいるようにしています。鈴もいっぱいつけてます。
脱走したときは大声で近所中を探し回ります。
猫ちゃんがいるご近所さんも一緒に探してくれたりします。

障子をバリバリですか、、貼り直すのも大変ですね。
seiさまは優しそうだから、きっと安心してしちゃってるんでしょうね~
(怒られないって知っているかも!?)
Commented by hana at 2006-06-23 08:42 x
先日から拝見はしておりましたが、…コメントする言葉がみつかりません…。
チャトラちゃんが立ち直れたのは、水人さんの愛情があったからですね。
絵に明暗があるように、人にも明暗がありますね。
でも、絵の暗は2次元だからいくら暗くても吸い込まれてしまうことはありません。
人の暗は現実の3次元だから、明が明るくなればなるほど、暗もどんどん深く、吸い込まれたら出られなくなりますね。
その結果が戦争や環境破壊ですから。
アインシュタインの原子力だって、電気にもなれば原子爆弾にもなる。
話が大きいく脱線したようでいて、脱線していないことです。
悪い人はいます。でも、その分いい人もいます。
ただ心を痛めるのではなく、悪い人のせいで挫けないように、愛情でチャトラちゃんを立ち直らせた水人さんは、それだけ素晴しいことをしたんです。
そういうことの積み重ねが、世の中の悪いことをなくせないまでも、薄めることができる唯一の方法ですね。
すいません。。。ちょっといろいろ考えてしまって…。
Commented by みー☆ at 2006-06-23 11:04 x
わたしもhanaさんと同意見です。あ、hanaさんはじめまして。
こんにちは〜。
世の中には酷い人間がいますね。でもその行いに心を塗りつぶされたくありません。悪意を跳ね返すパワーを身につけたいです。
愛と正義と勇気です。今度マントも作ろうかと思うくらい。
エサやりもネコとの共存もコソコソしたくありません。
太陽の下に出てくると砕けてしまう邪悪なヤツを闇から引きずり出すために、頑張るのだーー。失礼いたしました。
Commented by えゐち at 2006-06-23 12:11 x
ああなんて心無い人がいることでしょう。言葉もありません。
アタシは数年前に四肢に血栓が出来て
足の切断が余儀なく手術した猫がおりましたので
猫が元気に走り回れる姿を本当にありがたいことだと、
そこから、普通に在ることの幸せを実感します。

それでも辛いこともその出来事を経たからこそ
なかったことにできないからこそ、違った形で昇華する、
それがチャトラたんのこの辛い事件では
水人さんご家族とチャトラたんとの
かけがえのない深い想いの交感への進化だったと、
今チャトラたんの幸せで安心しきった可愛い様子を
こちらで拝見しつつ、そんな風に感じたえゐちです。
Commented by 水人 at 2006-06-24 03:23 x
★hanaさま
お忙しいのにコメントを残してくださって、ありがとうございました。
>暗もどんどん深く、吸い込まれたら出られなくなりますね。
本当に、闇に入り込んだ人は、なかなか抜け出せない。他人がいくら言っても届かない。
宗教も戦争も、きっかけがあって入り込むのだろうけれど,周りがいくら説得しても、聞いてももらえない。

犯人探しはしていません。ご近所関係の悪化は困る。人間社会にいる以上、どちらも快適に過ごす方法を妥協しながらも探っていかなければなりません。その人が猫がいるだけで不快感を持ったなら、それは私側の落ち度であり、謝罪すべきだとも思っています。ただ、二度と他の猫にもしないでほしい。
今でも時々チャトラが脱走するのですが、大声でご近所さんに向かって
「すみません!お邪魔しちゃってるかもしれません!」って言ってます。
先に誤ることが肝心です。
うちを選んで帰って来てくれたことに、心から感謝しているんです。
チャトラが私の家族とともに生活していくのを選んだのだから、彼が幸せに過ごせるように環境を整えてあげるのが、当然だと思っています。
Commented by 水人 at 2006-06-24 03:29 x
★みー☆
>悪意を跳ね返すパワーを身につけたいです。
本当に、泣いてばかりではいられません!!
自分が悪意に染まらないように(仕返しとか)、
悪意が向けられないように(再発とか)
自分がしっかりしていなくてはなりませんね。
頑張るぞーー!!
Commented by 水人 at 2006-06-24 03:44 x
★えゐちさま
想像を絶する手術です。思わず手を丸めてしまいました。
手先がざわざわしてしまいます。
現代では、猫ちゃんたちも人間と同じ病気をすると、よく聞きます。
また医療も進歩し、手術や薬も色々ありますね。
動物はここが痛いとか言わないので、日々観察が重要だと思います。
本当に、普通に出来ることが、実は幸せなことなんだと、こうして身近な動物に教えてもらえることがたくさんありますね。