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油絵画家、永月水人のArt Life 

ご質問をいただきました。

  『絵が、上手か下手か、わかりません。』
  というご質問メッセージをいただきましたので、お答えさせていただきます。
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  人が絵を見て、「上手」 「下手」と感じるのに、定義はありません。
  「好き」か「嫌い」か、だけです。

  地球上の人数分感情があるので、
  感じ方はさまざまです。
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  とっても好き、そこそこ好き、なんとなく好き、まあまあ好き、どっちかって言うと好き。
  見るのも嫌なくらい嫌い、二度と見たくないくらい嫌い、どっちかって言うと嫌い、なんだか嫌い。
  などなど、程度もさまざまです。
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  人が好きという感情を持つには、基準があります。
  それは、「好み」です。

  ボカニカルアートのように、細かく本物そっくりな絵が好みの方は、
  ピカソのようなデフォルメしたものは苦手です。

  岡本太郎のような、勢いがある絵が好みの方は、
  東山魁夷のような静かな絵は苦手です。
 
  モネのようにホンワカした絵が好みの方は、
  ダリのような主張の強い絵は苦手です。

  見る人が持っている「好み」によって、感情は左右されます。
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  上手、下手と感じるためには、自分が何が「好み」かを知ることが大切です。
  生活の中では、例えば、服を買うときは「好み」で買うと思います。
  質感や、色や、デザイン、適正価格など
  好みを決定する要素はさまざまですが、そこには自分の「好み」が存在しますね。
  絵を見るときも同じです。

  自分の「好み」を基準点に考えると答えは出やすいです。

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  絵のプロ(アーティスト)というのは、
  絵を売って生計を立てている人。
  売らなくても展覧会で入場料を取れる人。
  数々の公募展で入選入賞している人。
  などです。

  家でこもって誰にも見せず、自分だけで満足している人はプロとは呼ばれません。
  美術大学を卒業しただけでは、プロとは呼ばれません。
  プロ活動している人が、プロと呼ばれます。
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  絵描きは、授業で、デッサンやクロッキーをたくさん学びます。
  その際は、見たものをそのまま描く練習をします。
  そこには個性はありません。
  物質を正確に捕らえ、描く練習をします。

  そしてその後、さまざまな試行錯誤と研究を重ねて、
  アーティストの目を通し、脳を通し、手を通して
  アーティストの色に染められ作品が出来上がっていきます。
  そこにあるのは「個性」です。
  アーティストは「個性」を作品にしているのです。
  その、それぞれの「個性」が、見た人の共感を得るか得られないか、だけなのです。
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  描く手は、見た人がどんな感情を持ってくれるか、
  自分のテーマを受け取ってくれるか、
  など、見る側の人のことも考えています。
  だれにも見てほしくないなんて思っているアーティストはいないのです。

  『「うまいな~~」と感心してほしい』
  と思って描いているアーティストに、私は今まで、出会ったことがありません。
  『自分はこれこれこういう感情があるから、それを表現したのを見てほしい』とか、
  『幸せな気分になってほしい』とか
  『懐かしい気分になってほしい』とか
  『ここの場所の素晴らしさを知ってほしい』
  などなど、アーティストはそれぞれの、いろいろな感情を込めて描いています。

  見る方々が、それを受け取ったりそう感じなかったり、
  そこで心の交流ができるわけです。
ご質問をいただきました。_b0089338_2012527.jpg

  さて、
  ある作家の展示会に行って、「好きだな~」と思ったら、
  一言作家に声を掛けてくだ去れば、作家はうれしいです。
  逆に「好きじゃないな~」と感じたら、黙ってスルーしてください。
  作家jは、「あの方は自分の作品が好きじゃなかったんだな~」と感じ取ってくれます。
  初対面の方に「あんたの絵は好きじゃない」とか、
  けんかを売るのは失礼に当たるので、
  黙ってその場を立ち去れば、作家は経験から分かってくれます。
  わざわざ言わなくてもいいですよ~。

  趣味で描き溜めた作品を発表する知り合いの絵の場合は、
  「好み」でなかったら、黙って立ち去ると、失礼に当たるので、
  「頑張ってますね!!」と声を掛けてください。

  ご参考にしてくださいね。
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本日は堅い話になってしまいましたが、
長文を読んでくださって、ありがとうございました。

写真は、先日、母校の小学校の横のお寺さんに、
お散歩に行ったときのイチョウの写真です。
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10月27日に作品を追加しました。
絵画ショップ  Nagatsuki Gallery ≪永月画廊≫
ご質問をいただきました。_b0089338_193451.jpg
 
↑黄色い文字をクリックしていただくと、別ウインドで開きます。
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by legracieuxtemps | 2008-11-24 20:14 | 絵画論 | Comments(7)
Commented by jyoze-mama at 2008-11-24 21:32
なるほど・・・ね~
色々ご説明有難うございます。
そうなんですよね~
絵にはその画家の人の主張が良く表れていると思います。
いくら他の人が良いといっても 好きになれないものもあり
私は何時も単純なので 大体見た瞬間に好き嫌いが判ります。
自分の感性だけなのですが・・・
考えて好きになるということはありえないですよね~
それに個展での接し方御説明いただき有難うございま~す
今までそんな事まで考えたことがなかったものですから・・・
参考にしますね~~~♪

それにしてもお寺の銀杏 大きくて~
まだ色付いてなくて緑のもあるのですね~
これから黄色く色付くのでしょうね~♪
Commented by 水彩画人 俊介 at 2008-11-25 13:39 x
描くのが楽しそうですね。また、ずいぶん、多作ですね。僕は気が乗らないと描けない。同じ絵を、描くのも、億劫な方なのです。

いつか、風景画を一緒に描きにいけたら、楽しそう。

近くにきたので、また、遊びにきます。



Commented by 水彩画人 俊介 at 2008-11-25 13:39 x
描くのが楽しそうですね。また、ずいぶん、多作ですね。僕は気が乗らないと描けない。同じ絵を、描くのも、億劫な方なのです。

いつか、風景画を一緒に描きにいけたら、楽しそう。

近くにきたので、また、遊びにきます。



Commented by 永月水人 at 2008-11-25 21:25 x
★jyoze-mamaさま
こんばんは~
いつもコメントをありがとうございます♪

絵は、作者の性格の本質などの個性そのものが出てしまいます。
隠そうとしてもなかなかどうして、
自然に出ます。
またそれを伸ばそうとします。
万人全員に気にいってもらうのは、どうしたって不可能です。
ただ、見る人が不快な思いをして欲しくないな~と、私は思っています。
芸術派、「好き」を見るから、楽しいんだと思います。

個展のときの声掛けは、どうしたらいいのか、
なかなか人には聞きにくいですよね。
少しでも参考になればうれしいです。

イチョウの木は銀杏が1つもついていませんでした(笑)
これから真っ黄色になるんだと思います。
大きな木ですから、凄く綺麗だと思うんです。
真っ黄色になる頃、また行きたいと思っています。
Commented by 永月水人 at 2008-11-25 21:27 x
★水彩画人 俊介さま
こんばんは~
ようこそお越しくださいました。
コメントをいだだきまして、ありがとうございます♪

色々な外国でスケッチされていらっしゃるのですね。
たくさんの方々との出会いもあって、
楽しそうですね~

またいらしてくださいませね。
Commented by ryonouske at 2008-11-27 00:10
とても写真と共通することがありますね。
服の好みも色の好みも人それぞれ。。。改めてそう感じました。
私は写真展に出掛けてもなかなか本人とお話しをするタイミングが
つかめなくってスキな写真家でもスルーしてしまうことが多いです^^;
今度は勇気だしてみようかな?(苦笑)
Commented by 永月水人 at 2008-11-29 00:01 x
★ryouskeさま
こんばんは。
いつもコメントをありがとうございます♪
お返事が遅くなってしまってごめんなさい。

平面アートとして、絵画と写真は同じことが言えますね。
プロから見た構図の上手さ色の配置の上手さなどは判断できますが、
気軽に見る限りは「好き」の感情が重要です。

展覧会で作家に声を掛けるのは、勇気が必要ですが
気軽に声を掛けてもれえるのは、作家にとってはうれしいものです。
交流が生まれますから。
気に入ったら、素直な気持ちを、
簡単な言葉で伝えていただけたらと思います。